2023年度選手権競技全日本大会取材トピックス
 2023年度競技も9月より後半戦がスタート。今回は女子アマ・グランドシニア・アマ選の全日本選手権大会各会場で集めたトピックスをお届けいたします。
※文中カッコ内の年齢は競技当日の年齢です。

【全日本女子アマチュアゴルファーズ選手権】
【全日本グランドシニアアマチュアゴルファーズ選手権】
◆5月31日(水)~6月1日(木)
◆兵庫県/ダンロップゴルフコース

「6年前は手も足も出ず」。成長したゴルフで接戦を制した上田澪空選手
2度目の栄冠を掴み取った上田澪空選手

 上田澪空選手(17歳)が大会2勝目を飾った今年の全日本女子アマチュアゴルファーズ選手権。一昨年大会で初優勝して以来メキメキと頭角を現し、JGAナショナルチームに選抜された上田選手。その後は数々の国際大会で実力を発揮し、昨年の「クイーンシリキットカップアジア太平洋女子招待ゴルフチーム選手権」での団体優勝、そして今年の4月に行われた「ネイバーズトロフィーチーム選手権」での団体優勝に貢献するなど、いまやナショナルチームの一員として日の丸を背負う存在に成長されました。そんな彼女も、本大会に特別な思いを持つ選手のひとり。
「パブ選には思い入れが強いので、勝てて嬉しいです。6年前に出場した時も同じダンロップゴルフコースが会場。その時は手も足も出ず、打ち砕かれました。少しは成長したのかな(笑)」と、小学生の頃に思いを馳せ、笑顔を見せた上田選手。これからも本大会優勝者のプライドを胸に、世界で活躍されることを願ってやみません。

女子選手とグランドシニア選手の微笑ましいコラボレーション
 2019年大会より同時開催している女子アマ選とグランドシニア選手権。せっかくですから、たまにはこんな交流があってもいいのではないでしょうか? グランドシニア選手の皆さんにとっては、かわいいお孫さんのような彼女たち。一方、女子選手からすれば彼女たちのお爺さまといっていい世代のグランドシニア選手の皆さん。歳の差はあれど、そこは競技ゴルファー同士で息もピッタリ!撮影にご協力いただいた皆さん、ありがとうございました!
かわいいポーズで決めていただき、ご覧のとおり素敵な写真が撮れました。

「生命線は飛距離」。グランドシニアルーキーの増元公男選手の圧勝劇
西日本地区決勝に続く全日本制覇を果たした増元公男選手

 今年の全日本グランドシニアアマチュアゴルファーズ選手権は、優勝の増元公男選手(69歳)の強さが際立ちました。何といっても最大の武器は260~270ヤードを飛ばすドライバーショット。飛距離も狙う方向も同組の選手とは明らかに違い、遥か先のフェアウェイからセカンドショットを打つ姿が印象的でした。その飛距離を生かし、2日間を通じて1イーグル・4バーディを奪い、終わってみれば2位に6打差。ルーキーとはいえ、百戦錬磨のベテランが集う中で地区決勝に続く見事な圧勝劇でした。「自分のゴルフの生命線は飛距離。飛距離を保つため毎日5~6キロのウォーキングと打球練習は欠かしません」。“練習の虫“ で知られる増元選手。日々の努力の成果を強調されていました。
歯を喰いしばり、力強いショットを放つ増元公男選手



【全日本アマチュアゴルファーズ選手権】
◆6月10日(土)~11日(日)
◆栃木県/イーストウッドカントリークラブ

世界ジュニア優勝のスーパー小学生2人が全日本大会に参戦
前列左から小澤優仁選手と福井誠ノ介選手、中学1年生の加藤金次郎選手

 大人たちに交じり、元気いっぱいにプレーしていたのは小澤優仁選手(11歳)、福井誠ノ介選手(10歳)の小学生選手の2人。身体は小さくても、小澤選手は今年のIMGA世界ジュニア選手権9-10歳の部で優勝、福井選手も同じく2021年のIMGA世界ジュニア選手権7-8歳の部で優勝の実績を持つ実力選手。プレー終了後の練習グリーンでは、仲睦まじく練習する彼らに大人たちもつい声をかけ、一緒に練習をしたり記念撮影をしたりと、微笑ましい光景が見られました。

最年長出場はプロテニスプレーヤーの大森豊さん
最年長出場を果たした大森豊選手

 今年の最年長出場は、東日本B地区決勝から繰り上がりで出場を果たした大森豊選手(57歳)。「競技は50歳を過ぎてから。アマ選の全日本大会は初めてです。目標は2日間とも70台のスコアで回ること。また、昭和の森の予選から一緒に参加した小澤優仁君に勝つこと、成績でビリにならないことです」と、大森選手。プロテニスプレーヤーとして活躍した後、現在は都内でテニススクールを経営。全日本クラスの選手を輩出する傍ら、競技ゴルフへ挑戦を続けている大森選手。「ゴルフはテニスと違って1打に喰らいつくことができるスポーツ。ガチンコでできるという意味では他にはないスポーツですね!」と爽やかな笑顔で語っていただきました。
大森豊選手の力強いショット

雨の最終ラウンドで68をマーク。谷本伊知郎選手が堂々3位入賞
池田育嗣当協会会長より賞杯を受け取る谷本伊知郎選手

 スタートから強い雨が降り続いた最終ラウンド。上位陣のスコアが伸び悩む中で気を吐いたのが谷本伊知郎選手(49歳)。出だしからバーディを奪うなど、1イーグル・4バーディ・2ボギー、この日のベストスコアタイとなる68をマークし、10位タイから一気に優勝争いに浮上。余程手ごたえがあったのか、スコアカード提出後は成績モニターに釘づけで上位のスコアを見守る姿が印象的でした。最終的に3位となったものの、悲願の全日本アマ選制覇まであと一歩。常日頃から「ミッドアマではなく、全日本アマ選で勝つことが目標」と言い切る谷本選手。40歳代最後のアマ選にして、その闘志はまだまだ健在でした。
雨の中、素晴らしいプレーを見せた谷本伊知郎選手