2022年度選手権競技全日本大会取材トピックス
 おかげさまで2022年度の選手権競技がすべて終了いたしました。今回はミッドアマ、女子シニア、ミッドシニアの全日本大会各会場で集めたトピックスをお届けいたします。

【全日本ミッドアマチュアゴルファーズ選手権】
◆9月10日(土)~11日(日)
◆栃木県/イーストウッドカントリークラブ
「昨年も載りました!」昨年の特集号を手にする長島英樹選手

今年もゴルフ雑誌「ゴルフスタイル」の取材がありました!
 昨年に引き続き、今年の全日本ミッドアマチュアゴルファーズ選手権の会場においても、ゴルフ雑誌「ゴルフスタイル」の取材が入りました。
 競技参加の選手にはお馴染みの同誌。上級者の使っているクラブとセッティングは、上達を目指すアベレージゴルファーにとっても大変参考になるもの。コロナ禍で取材できる大会が減っているという中、昨年の同大会特集号で読者の反響も高かったことから今年2回目の取材をしていただくことになりました。

2人で手際よく撮影を進めるゴルフスタイル社代表の鎌田俊夫さん(右)と榊宏之さん

 180名近い参加選手の使用クラブ(ドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアン、ウェッジ、パター)それぞれのヘッド各アングル、シャフトの撮影とスペック調査、さらには選手の撮影から大会の様子まで、指定練習日から3日間かけて取材するのは大変な労力が必要。それを同誌の編集長兼社長の鎌田俊夫さんと副編集長の榊宏之さんお二人で、手際よくこなしていらっしゃいました。
スタート前の調整は天然芝の上でバッチリ!
 会場のイーストウッドカントリークラブの練習場は、使用クラブがショートアイアンに限られるものの、天然芝の上から打つことができる練習場とあって連日盛況。スタート前、スコアメイクに直結するショートゲームの練習は最も大事。それを直接芝の上からできるのは選手にとってこれ以上ない環境といえるでしょう。1球1球、感触を掴みながら身体に沁み込ませるように念入りにボールを打ち込む選手の姿が多く見受けられました。
連日盛況だった打撃練習場。天然芝の上から打てるのは、選手にとってありがたいですね!

最終組の痺れるような気持が伝わってきた優勝争い
「楽ではなかった……」苦しい戦いを振り返る相馬選手

「調子は悪くない。ここも5年前に勝っているしね!」
 初日のスタート前にそう語っていた谷本伊知郎選手(49歳)。今大会、谷本選手が7勝目を達成するかどうか、大きな話題として注目されていました。ご本人の言葉どおり、初日を終わって首位に1打差の3位タイ。5年前、同じイーストウッドカントリークラブで開催された2017年大会では2打差からの逆転優勝、昨年は2位に9打差の逃げ切り優勝、あらゆる状況で強さを発揮してきたとおり、この日も上がりの2ホールを連続バーディで締め、余裕の表情でホールアウトする姿に、このまま谷本選手の勝ちパターンに流れていくかに見えましたが、最終日1番のティショットは左サイドOBで、まさかのダブルボギースタート。2番では同じく最終組で回った相馬義孝選手(45歳)と榊原吉規選手(42歳)が、ティショットを右サイドに曲げてボギー。続く3番では桑原竜也選手(34歳)が、ティショットを左サイドの崖下に曲げるトラブルからダブルボギーを叩くなど、快晴の青空とは対照的に最終組は序盤から重い空気に包まれました。
最終ホール、まさに執念のバーディパットを沈める谷本選手

 4人共にスコアを落とす苦しい展開の中、10番から3連続バーディを奪って抜け出した相馬選手が、終盤にスコアを落としながらも貯金を生かして逃げ切りましたが、「楽ではなかった」というご本人の言葉どおり、最終18番ホールをボギーとした相馬選手に対し谷本選手がピンそば約2メートルにつけてバーディを奪い1打差に迫るなど、勝負の行方は最後の最後までわかりませんでした。
「信じられない気持ち」「さすがに今日は緊張した」と、重圧に耐え続けた相馬選手、そして僅かに1打届かなかったものの、最後まで諦めずに攻め続け、「楽には勝たせない」という執念のようなパッティングを見せた谷本選手の強さ。両者の気持ちがこれ以上ないくらいに伝わってくる優勝争いでした。

【全日本女子シニアアマチュアゴルファーズ選手権】
【全日本ミッドシニアアマチュアゴルファーズ選手権】
◆10月13日(木)~14日(金)
◆徳島県/コート・ベール徳島ゴルフクラブ
真っ青な青空と背の高いヤシの木。南国情緒溢れるコート・ベール徳島ゴルフクラブ

お天気の下、2日間熱戦が展開されました

仲良く写真に収まるレジェンド選手たち。左から岩井正一選手、小島朋広選手、木村雄一選手

 選手権競技の最終戦となる全日本女子シニアアマチュアゴルファーズ選手権と全日本ミッドシニアアマチュアゴルファーズ選手権。今年は徳島県のコート・ベール徳島ゴルフクラブが舞台。真っ青な青空と背の高いヤシの木は南国ムード満点ながら、ひとたび海からの強い風が吹けば、途端に難コースへと豹変! 指定練習日はまさにその風が吹き荒れ、「クラブの番手が3番手変わった」と、選手の皆さんも口々に声を揃えていました。
 そんな海風と左右に迫るOBが選手たちを悩ませた2日間、男女シニアゴルファーによる熱戦が繰り広げられました。



【全日本女子シニアアマチュアゴルファーズ選手権】
最終日、ハーフターンで談笑する内山選手(左)と栗原選手

内山汐里選手が栗原悦子選手にリベンジ。念願の全日本大会初制覇!
 初日に2位と3打差をつけて単独首位に立った内山汐里選手(52歳)が、最終日も危なげないプレーでリードを広げ、ディフェンディングチャンピオンで2位の栗原悦子選手(51歳)に5打差をつける圧勝で全日本大会初優勝を果たしました。
 2016年の全日本女子ミッドアマチュアゴルファーズ選手権で4位タイに入賞、以来、2017年3位、2018年2位タイと一歩ずつ階段を上り続け、シニアになった2020年にPGSチャリティー東日本スクラッチゴルフ選手権女子シニアに優勝。しかし、昨年2021年の全日本女子シニアアマチュアゴルファーズ選手権で、栗原選手に次ぐ1打差の2位と、これまで何度も“あと一歩”というところで苦杯をなめてきました。その悔しさを一気に晴らすかのような圧倒的な勝利に、連覇のかかっていた栗原選手も「(連覇ができず)悔しいけど、汐里さんは今までもっと悔しい思いをしてきただろうから」と、気遣うコメント。プレー中も優勝を争いながら内山選手に励ましの声をかける場面も見られました。
 名実ともにトッププレーヤーの仲間入りを果たした内山選手。「お互い向上心が高いし、何よりゴルフが好き。優勝を争っていても、お互い楽しくプレーできた」という言葉どおり、お互いをよく知る栗原選手と共に、女子シニアを引っ張っていく存在として今後の活躍から目が離せません。
お互いに向上心の高いお二人、初日終了後の練習グリーンで。

【全日本ミッドシニアアマチュアゴルファーズ選手権】
藤井選手の力強く、粘り強いインパクト!

「俺の人生はGolf is best!」藤井広文選手が公約通りの全日本大会2勝目
 2015年の全日本シニアアマチュアゴルファーズ選手権で初優勝。藤井広文選手(65歳)が、ミッドシニアルーキーの強さを発揮し、見事全日本ミッドシニアマチュアゴルファーズ選手権初優勝を果たしました。
 CGA(中部ゴルフ連盟)主催の「中部ミッドシニアゴルフ選手権」で上位入賞を果たせず、JGA(日本ゴルフ協会)主催の「日本ミッドシニアゴルフ選手権」の出場権を逃していた藤井選手は、「日本ミッドシニアに出場するためには、PGSの全日本ミッドシニアマチュアゴルファーズ選手権で2位までに入るしかない!」と気合満点。中部日本地区決勝で優勝を果たすと、今大会での優勝か2位に狙いを定めて徳島入り。コート・ベールは初めてとあって、練習日の強風には「どうなっちゃうんだろう?」と戸惑いを隠せなかったそうですが、そこはさすが実力者。初日は目標より2打多い76ながら、最終日は手堅くパープレーの72でまとめて逆転に成功。2位に4打差をつけての初優勝となりました。
 ミッドシニアルーキーとはいえ、最終組は歴代優勝者も含め、いずれ劣らぬ実力者揃い。その中で、狙って優勝をすることはなかなか難しいと思われますが、いまだにジュニアや学生たちと競技で競い合うという藤井選手。2年前の63歳の時、中部アマチュアゴルフ選手権決勝で4日間戦えたことがご自慢だとか。
「だけど、最近はもう年齢に合わせたゴルフをすべきじゃないかと考えるようになった(笑)」そうですが、そうした気持ちが強さと若さの秘訣なのではないでしょうか。
 43歳で独立して事業に成功し、大きくした会社を63歳で売却。今はもっとゴルフを楽しみたいという藤井選手。「俺の人生はGolf is bestだから!」と、笑顔で締め括っていただきました。
優勝のポイントになったという、最終日9番のバーディパット